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電子処方箋の行方

電子処方箋の導入は進んでいますでしょうか?調剤薬局での導入率は30%を超えてきていますが、クリニックでは2%に満たない導入率です。まだまだこれからという印象ですが、Amazonは電子処方箋を利用したサービスを「Amazonファーマシー」という名称で7月から提供を始めています。Amazon自身では薬局を開設しないで、大手の薬局と提携してサービスを提供しています。具体的には、Amazonが提供するアプリを利用して、患者さんが選んだ薬局が調剤とオンライン服薬指導を実施し、自宅までの配送はAmazonが担います。

クリニックのように検査や処置がある場合にはオンライン診療でという訳にはなかなかいきません。吸入薬の使用方法など説明が難しいものもありますが、オンライン服薬指導へのハードルは低いでしょう。スマホの操作になれている若い方を中心に普及していくことも考えられます。

話は変わりますが、調剤薬局業務の一部外部委託(一包化)について、大阪市が特区に指定されて今年度から行われる予定です。その目的は、薬局にとって負担が大きい一包化を大型の機械を導入している外部の薬局に委託して、委託によって削減された時間を対人業務に注力するという内容です。この外部委託は調剤工場を作るようなイメージですが、オンライン服薬指導との相性が良いように思います。オンライン服薬指導が増えてくると立派な薬局の必要性も低くなり、さらに外部委託によって店舗コストを大幅に下げることが可能です。いまのところ外部委託の実施要領はかなり厳格で設備規則などの制約もありますが、電子処方箋の普及状況次第で今後の薬局の在り方が変わっていくのではと予測できます。

院内処方のクリニックでも、オンライン服薬指導によって処方薬を自宅に配送してもらえるころから、院外処方へ切替えを進めやすくなります。電子処方箋の普及まで時間が掛かりそうですが、今後の動向に注目です。

【文責:西澤和弘/プロフィールはこちら

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