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リビングウィル(事前指示書)の普及と活用
高齢化が進み、在宅や施設における療養や看取りの需要が増大する中、人生の最終段階でどのような医療を望むかを自分自身で前もって考え、家族など周囲の信頼する人たちと話し合い、共有することの重要性が注目されています。
話し合った内容を書いたものをリビングウィル(事前指示書)といい、万が一のときの治療の判断の重要な助けとなります。
リビングウィルの内容や書き方に細かい決まりはありませんが、長野県内においては松本市医師会と松本市地域包括ケア協議会が「松本市版リビングウィル」を今年5月に作成し、普及に取り組んでいます。
松本市版リビングウィルの内容は以下のとおりです。
1.治療をしても回復が見込めない状態になったときの「延命治療」について
- 心臓マッサージなどの心肺蘇生法や延命のための人工呼吸器などの希望有無
- 最期を過ごしたい場所(自宅・病院・入居施設)
2.代理判断者の氏名・続柄・緊急連絡先
- ご自身で医療上の判断ができなくなったときに医師が相談すべき人
記入後は用紙を「かかりつけ医」に持参する流れになっています。かかりつけ医は患者様が相談に来られたら話し合いの内容を確認のうえ、かかりつけ医記入欄(医療機関名・医師名・連絡先)に記入し、原本は本人に返却、コピーをカルテと一緒に保管します。
リビングウィルの記入にあたっては、本人が治療の内容や選択肢について正しく理解したうえで意思決定を行う必要があるため、先生方からの適切な情報提供と丁寧な説明が求められます。患者様からご相談やご質問を受ける機会が増えるかと思いますので、積極的に取り組んでいただけたらと思います。
参考:松本市医師会ホームページ「わたしのリビングウィル(事前指示書)」 (文責:望月 美智子)