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民主党(与党)の医療政策(その2)
前号に引き続き、民主党の医療政策を「民主党マニフェスト」と「INDEX2009」を基に検証してみます。(※筆者の私見)
- 後期高齢者医療制度の廃止と医療保険の一元化
- 国民を年齢で差別し、75歳以上の保険料負担が増える仕組みである後期高齢者医療制度は、全面的に廃止し国民の医療に対する信頼を回復します。
※制度を廃止するとしていますが、その後の新たな医療制度が見えていません。ようやく定着して来ている制度を後戻することになれば、再び大きな混乱が起こります。 - 国民健康保険と被用者保険(組合健保、協会けんぽ)を順次統合して、医療保険制度を一元的に運用し、国民皆保険制度を守ります。
※各医療保険間に於いて財務体質が大きく異なるため、統合することは容易ではありません。
- 国民を年齢で差別し、75歳以上の保険料負担が増える仕組みである後期高齢者医療制度は、全面的に廃止し国民の医療に対する信頼を回復します。
- 包括払い制度の推進
- 医学的根拠に基づく医療(EBM)が受けられるよう、急性期病院に於いて一層の包括払い制度を推進します。
- 医療の内容を標準化し、疾病ごとに入院から退院までの経過や検査の予定等をスケジュールしたクリティカルパスを可能な限り推進します。
※今後、包括化への流れは止まらないと思われる中、各医療機関の対策が急がれます。
- 医師養成数を1.5倍に増加
- 医療崩壊を食い止めるため、OECD諸国の平均的な人口当たりの医師数(人口1,000人当たり医師3人)を目指します。
- 大学医学部の定員を1.5倍にします。しかし、医学部新設は最小限に抑えます。
※医師養成には時間を要し、即効性の面で疑問が残ります。また大学医学部の受入れ体制も準備が不十分です。
民主党は、社会保障制度の上でも「国民の生活が第一」としていますが、改革には相当な困難が伴うため、今後の国会の動静を注視したいものです。