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高齢化社会での調剤薬局(薬剤師)の役割
調剤薬局の業界は、医薬分業の進展に伴い大きく発展してきました。また、高齢化社会を迎えた中で、今後も堅調に推移していくものと思われます。
しかし調剤薬局には、いくつかの懸念材料も存在します。一つは、医薬分業率が既に60%を超えており、その到達点と推測されている70~75%に近付きつつある点です。地域による差もありますが、調剤薬局業界は成熟期にあり、淘汰が始まっているようです。もう一つは、特定の医療機関に隣接して出店し、処方せんを応需すること、の危険性です。出店の前提となる医療機関が、何らかの事情(院長の病気等による休診など)で突然に処方せんを出せなくなることが十分にありえるのです。
一方で、長期療養の場が医療機関から在宅・介護施設に変わりつつある地域医療システムの中で、調剤薬局(薬剤師)の果たすべき役割が大きく期待されています。
- 要介護高齢者の在宅での薬物治療(医薬品の適正使用・医療安全の確保)
認知症などの影響で薬の管理や服薬ができない患者や、併存疾患などによる投与量や投薬内容の調整が必要な患者のサポートが求められます。 - 在宅療養を支援する医療インフラ(薬局数 53,000軒、薬剤師 26万人)
在宅療養には医療材料から衛生材料・日用雑貨品まで多くの物品が必要となります。巨大な薬局網は、医薬品のみならず、様々な物品を供給するインフラとしての機能が期待されます。 - 健康増進や予防医療への取り組み。
高い専門知識を有する薬局・薬剤師は、健康増進や予防医療の分野への取り組みの担い手として期待されます。