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病院優先・診療所と薬局は適正化の流れ
令和7年11月に財政制度等審議会がありました。来年度診療報酬改定は、病院には手厚く診療所と薬局には厳しい報酬改定になることが予測されます。
〇改定検討の背景
物価・賃金の上昇を十分に反映できていないことや現役世代の保険料負担増に対して可処分所得確保の観点から、医療提供体制及び診療報酬の見直しが求められると整理されています。
〇診療報酬改定の方向性
1. 病院への重点支援/診療所・調剤薬局の適正化
病院については物価・賃金上昇の影響が大きいことから、経営・処遇改善に向けた対応が重視されています。 診療所・調剤薬局については、病院と比較して利益率が高いといった指摘があり、適正化・整理の対象とする旨が示されました。
2. かかりつけ医・地域包括機能の見直し
かかりつけ医機能報告制度において、1号機能を有さない医療機関には初診・再診料の減算を検討するとの方向性を示しています。「機能強化加算」は廃止、「外来管理加算」については廃止または地域包括診療料等への統合を検討されています。
3. 薬剤・調剤報酬・患者自己負担の見直し
後発医薬品促進のための加算等が政策的役割を終えたとして整理対象になります。外来薬剤(OTC含む)について、保険給付範囲・自己負担の拡大を含め検討が必要とされています。
このように、病院の報酬改定は手厚くなる一方で、クリニックと調剤薬局の収益構造の変化が避けられません。今後、年末にかけて詳細項目が決定されますので、次年度改定への準備を進めてください。
【文責:西澤和弘/プロフィールはこちら】
