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重要性が高まる産業医の役割

政府が進める「働き方改革」の一環で労働安全衛生法が改正され、産業医と産業保健の機能が強化されることになりました。

ご存知とは思いますが、労働者数が常時50人以上の事業所は産業医を必ず選任しなければなりません。産業医は、労働者の健康の保持促進等を医学的な立場から指導・助言を行い、毎月1回以上事業所に訪問し、作業方法や衛生状態に労働者に有害の恐れがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するために必要な措置を講じなければならないことになっています。

 これに加えて来年4月に実施される今回の「産業医の機能強化」の内容について解説します。

〇事業者から産業医への情報提供の充実・強化

産業医の活動に必要な情報が必ずしも事業者から提供されていないという課題を踏まえ、事業者より長時間労働者の状況や労働者の業務の状況などが提供されることになりました。

〇産業医の活動と衛生委員会との関係強化

産業医の判断が事業者側の意向に沿ったものになりやすいという課題がありましたが、産業医の勧告について労使双方が構成する衛生委員会への報告が義務付けられました。

〇産業医等による労働者の健康相談の強化

事業者に健康相談体制を整備する努力目標が設定されたため、労働者が安心して健康相談を受けられるようになり、相談事案の増加が予測されます。

こういった改正が産業医の職務に具体的にどのように反映してくるのかはまだ不明ですが、少なくとも前よりも責任が重くなることは確実だと思われます。

ちなみに産業医契約は、個人・医療法人のいずれでの契約も可能です。

 

(文責:望月 美智子)

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